予定納税と確定申告
確定申告の時に注意したい予定納税制度
これまで確定申告をしてきて、ある程度の納税額に達している方は、予定納税の制度を利用していることでしょう。
今回は、この予定納税制度を簡単に説明します。
事前収納の確保としての予定納税
経常的な所得の事業所得や不動産所得、また、法人の所得課税、さらには消費税課税事業者については、予定納税という制度があり、国として、税金の事前収納をすることとなっています。
また、お勤めの方の給与所得や税理士等の報酬への源泉徴収も事前収納確保の制度と言えます。
所得税・法人税の予定納税制度とは
所得税の予定納税は、前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、当該年の確定申告前に、3分の1ずつ2回予め納付するという制度になっています。
所得税の予定納税制度の詳細については、タックスアンサーをご覧ください。
一方、法人税等の場合は、前事業年度の法人税額が20万円を超えると、その法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じた金額を予定納税額として、現事業年度開始から6ヶ月経過後2ヶ月以内に納付することになっていて、予定納税回数は1回です。
消費税にも予定納税制度あり
消費税の場合は、前課税期間の消費税(国税)の年税額が「48万円を超える」と予定納税が課されます。
前課税期間の年税額が400万円以下の場合は、予定納税回数は1回で、4800万円以下の場合は、予定納税回数は3回で、4800万円超の場合は、予定納税回数は11回で、それぞれ2ヶ月以内に納付することになります。
前期の納税額によって回数が変わってくるのが特徴です。
消費税の予定納税においては、例えば3回予定納税では、3ヶ月ごとに区分された各期間のうち最後の期間は予定納税期間とはなりません。
決算期変更があり、課税期間が9ヶ月になったような場合、最後の3ヶ月は予定納税の期間ではなくなり、例え、3回目の予定納税の納付書が届いていても、その納税義務は消滅していることになります。
予定納税の延滞と還付
予定納税の義務は所定の期間の末日に成立するものであるので、例え滞納していても、確定申告書においては、事前確定納付税額として記載されます。
確定申告書での確定年税額がゼロ、あるいは予定納税額未満の場合は、還付の申告書となります。
もちろん、還付税額は、未納の予定納税額に充当されるので、実際の還付にはなりません。
また、予定納税額の滞納には、延滞税が課せられているのですが、全額還付となる予定納税額に係る延滞税は免除となり、同時に還付加算金は付されませんので注意が必要です。