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ふるさと納税の動向

総務省 VS 自治体

年末になると話題となる「ふるさと納税」ですが、2019年のふるさと納税は前年とは違った雰囲気となっています。

総務省は2019年10月上旬、泉佐野市など4自治体を「ふるさと納税」制度から除外した決定を、今後も継続することとしました。

除外決定の再検討を命じた国地方係争処理委員会の勧告を無視する結果となり、泉佐野市など自治体側は反発し、両者の対立は続きそうです。

返戻率で対立

ふるさと納税制度を巡っては、2018年11月に総務省が全国に「返礼率は3割以下に抑えるべし」と要請する文書を送った後も、泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町だけがアマゾンギフトカードなどの高額返礼品を送り続けました。

それを受けて総務省は、今年6月から始まった新制度のもとで4市町を制度から除外しましたが、泉佐野市が「過去にさかのぼる法の適用は不当」として国地方係争処理委員会に訴えていました。

総務省の動向

国地方係争処理委員会は、「何らかの形で是正を求めるべき事情があった」と総務省の立場をくみつつも、同省が法改正前にさかのぼって4自治体の行為を法律違反と認定したことが「地方自治法に反すると評価される余地が生じる」と認定。

約1カ月の猶予を与え、10月4日までに除外決定の再検討を行うよう勧告していましたが、総務省の考えは変わりませんでした。

委員会の勧告を受けた上での国の判断になお不服がある場合、自治体は総務相を相手取って高等裁判所に訴えることができます。かねてより総務省の舵取りに不服をあらわにしてきた泉佐野市は「結果はとうてい受け入れられない」としています。

 ふるさと納税の実績をまとめたデータによれば、2018年に最も寄付を集めた自治体は泉佐野市で、全寄付額のなんと10%に当たる497億5300万円でした。

また2位〜4位も除外決定を受けた各自治体が占め、総務省との対立が逆に納税者の注目を集めてしまい、多額の寄付につながった面は否めません。

総務省としては、要請に基づき返礼品を自粛した自治体がある以上、4自治体に対する譲歩は絶対できないという判断ですが、裁判で総務省の地方自治法違反が改めて認定されてしまう可能性は否めません。

沖縄の首里城にも活用

今年は沖縄のシンボルである那覇の首里城が火災により全焼した事故がありました。

那覇市がこれを再建するための寄附をクラウドファンディングで募ったところ、3日目にしてなんと寄附額が1億円を突破しましたとのことです。

この寄附に関しては、お礼の品はもらえないものの、税の控除はふるさと納税扱いとなります。

首里城への寄附は本来自分の住んでいる自治体への税の一部を、納税者の意思によって目的税化できるという認知が進んでいる証左でしょう。

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